今日は複数の時計/アガサ・クリスティの読書感想文を書きます。

盲目の女性が住む部屋に派遣されたタイピストの女性が、そこで無残に殺された身なりのいい紳士の死体を発見する。
その部屋には本来そこにはないはずの複数の時計が置かれていて…。
というのがこの本のあらすじ。
殺された紳士が保険会社の名刺を持っていたため、警察が周囲の住人に聞き込みをする際に「最近保険会社の勧誘が来ましたか?」質問をするのですが、イギリスの皆さんの保険に対する姿勢が見られて面白いです。
近所の皆さんすらすら保険の内容がいえてすごい…!
どのおうちも過不足なく必要な保険に入っていて、金融リテラシーの高さを感じました…。
さすイギリス。
ネタバレは避けますが、この本は全員怪しいならぬ、全員怪しくないため、逆に犯人がわかりにくいタイプの作品です。
保険の契約内容もスラスラ言えますしね。
この本は名探偵ポアロシリーズの29冊目になります。
ポアロシリーズに限ったことではないですが、晩年のアガサ先生の著作に関してはやはり全盛期に比べると精彩を欠く部分があることは否めないです。
面白くないというのではないんですけど、ミスリードなり心情描写なり、全盛期であれば『もっと鮮やかにやったんだろうな…』と思えてしまいます。
でも、その分後期作品にはアガサ・クリスティ先生の思想とか価値観みたいなものがより強く出てくるので、それはそれで面白いです。
一人の作家を続けて読むのって、なにかその作者の方の体系をインストールするような感覚があっても面白いです。
これはアガサ・クリスティ先生が極めて多作&バラエティ豊かだからというのもありますが。
以上、複数の時計の読書感想文でした。


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